その起業ちょっとまって フランチャイズの沼

私の失敗にもとづく反省点

儲かりそうな商売があったとして、それに投資をする。
自分の得意分野で、経験やノウハウ、知識が一定以上あるのならば、
お金をかけて全力でその仕事にまい進すればよいと思います。
しかし、あまり経験のない商売に対して、大金を払ってノウハウを買うというのは慎重になった方がよいと思います。

フランチャイズという発明

だれにとって得になる発明か考えましょう。

リスクがなくて、お金になるノウハウがあるのなら、人に売る必要はないわけで、自分で抱え込んでいた方がよいのですから。
「未経験でも始められる」というように、だれでもできるかのような謳い文句でフランチャイズオーナーを募集している広告をよく見ると思います。
フランチャイズというのはよくできた方法で、うまく利用すればリスクを抑えて起業することが可能であることは間違いありません。

独立起業の情報誌やサイトをみていると、

  • 未経験でも始められる
  • 一人で始められるので資金のリスクが低い
  • 自由な時間を手に入れる

など良いことばかりが目につきます。

こういうのはすべてフランチャイズの募集です。

まったくの未経験の業種だとしても、あなたが経営のプロフェッショナルならばよいと思います。
しかしその仕事、一人で始めて店舗の運営はだれがやるのかよく考えるべきです。
未経験だとしたら、日々のオペレーションに忙殺され、いつまでも自由な時間など皆無の生活が待っています。

本部が集客支援するので安心!
と言われたけど、チラシ配布、広告作成、メニュー作成、時にはバイト募集、
これ本部が全部タダでやってくれると思いますか?

当然有料です。

忙しい中、どんな広告を作ってもらって、いくら広告費を使えるか考えて、
同時に店舗オペレーションをできるかどうか、、

未経験で始められて、一人でできて、自由な時間を手に入れられると思って始めた人が、そんなに最初からいくつも同時にできるでしょうか?

なぜフランチャイザー(本部)はノウハウを売るのか

では、なぜフランチャイザー(本部)はノウハウを売るのか、
フランチャイズは小売りなど、流通分野での手法であり、短時間に販路を拡大するために多くの店舗を展開し、ブランドを最大限に使ってビジネスを広げることができます。

看板を売る(ロイヤリティ収入)

店舗の土地や回転資金の取得をフランチャイジー(加盟店オーナー)が行うため、フランチャイザーの看板を付けた店舗を短時間で増やすことができる。
既に確立されているオペレーションがあるため、店舗の立ち上げも当然短期間で行うことができる。

もう一つはリスクの切り離し

より小さいリスクに切り分けて、失敗してもその責任はオーナーのもの。
オーナー個人の責任にすれば、たとえ外部的な要因で店舗の経営が立ち行かなくなっても、本部としてはロイヤリティと販路がなくなるリスクだけで済むのです。

というように本部の思惑と、加盟店オーナーのメリットをよく考え
なんでこのフランチャイザーは、看板を売ってビジネスをスケールしようとしているのかということを考えるだけでも、ノウハウを売るだけの詐欺まがい商法に引っかかることがなくなるはずです。

長く勤務した従業員にのれん分けする形で店舗を任せるというような形態もあります。
そういう場合は参入障壁が高いですが、加盟店とのつながりも強固なことが想像できるので、失敗は少ないと考えられます。

蒙古タンメン中本に見るフランチャイズの価値

決してフランチャイズのすべてが悪いと言っているわけではありません。
お客様にとっては、よいサービスや商品が手に入りやすくなるわけですから、
当然ビジネスとしても価値があるわけです。

蒙古タンメン中本をご存じでしょうか。
私は高校生の頃から蒙古タンメン中本の中毒でした。
その頃は、まだ町のラーメン屋さんの頃で、創業者の中本正さんが、家族で経営しているラーメン屋さんでした。
学校の帰りに中本の味噌タンメンを食べるのが楽しみでした。
卒業して大学生となり、地方に引っ越しても、中本の禁断症状は続きました。

数年後、実家の近くの中本に行きました。(当時はそこだけですから)
すると、お店にはシャッターが、、看板もなかったと思います。
あれ?今日はやってないんだ、ついてないなと思いながら立ち去ろうとしたとき、
店の横に放置されたパネルが立てかけてあるのに気が付きました。
そこには、
「長年ありがとうございました、閉店します」
というようなことが書いてあり、とても落胆した思い出があります。

もう二度と中本が食べられないことに恐怖さえ感じました。

それが、皆さんご存じの通り、今は新たな経営者の元、首都圏に何店舗もあり、今の僕の自宅からも行けるところに店舗があります。
これには感激しました。中本正さんに頼み込んで蒙古タンメン中本を復活させた今の経営者には感謝しています。

というわけで、フランチャイズは顧客にとっても価値のある事なんです。

でも、蒙古タンメン中本は、のれん分け方式だと思います(笑)

 

では

元システムエンジニアで元バリスタ、元タクシー運転手。 現在は会社員で、システム運用、PMとかやってます。

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